2009年11月18日水曜日

M.D.Baccus Sociological Indication and the Visibility Criterion in Real World Social Theorizing 1986


今週の教材M.D.Baccus Sociological Indication and the Visibility Criteria in Sociology. の訳を教材配布用サイトにのせました.

本論文は、社会学研究において、「データ」と「理論」が、いかに相互に解明可能にされているかという問題を扱ったものです.先週の教材(Garfinkel Methodological Adequacies )も社会学研究の論理を扱ったものです.後者では、研究がさまざまな実践的決定によって解明可能な具体性を獲得していること(その解明可能性の技術に満ちた産出が方法論的適合性と呼ばれています)が示されていました.この論点は、Cicourelによるサーベイの研究(前期に取り上げました)が環境的妥当性と呼んでいたものに関連しており、EMが社会学研究をとりあげる際の特徴的視点を示唆しているかもしれません.

本論文は、通例的社会学研究においては、「データ」が「現実」を指し示すものというパースペクティブを前提としていること、さらに、その「現実」は、「理論」に照らしての「事例」とみなされること、という2重のパースペクティブが採用されていることを、解明したものです.われわれは、確かに、「家族」であるとか、「企業」であるとかの、諸概念を現実との間である関係をもつものと見なし、そのパースペクティブのもとで、「データ」を、想像したり、収集したりします.それらー社会研究の作業ーが、いかに行われているか、その現実というよりも、その問題領域をマッピングした論文です.

写真は、震災メモリアルパーク(メリケン波止場)・・・見えないものの指示作用の一例.

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